織田信長や豊臣秀吉を主人公とする時代小説や歴史小説を読んでいると
何度も登場する「根来寺」は、1300年の昔に役の行者により
葛城28ケ所の行場の一つとして創立されたのが始まりとのこと。
 
 
その後、新義真言宗の総本山として室町時代には
堂塔2700余、寺領72万石を超える大大名なみの勢力となったが、
種子島から鉄砲生産の技術を得て、多数の鉄砲を所持し、
強大な武装勢力となった根来寺を恐れた豊臣秀吉の征伐により
堂塔のほとんどが焼き討ちされた。
  
この時、焼失を免れた多宝塔には、焼き討ちの際の火縄銃の弾痕が
今でも残されている。

その後、紀州徳川家の庇護を受けて主要な伽藍が復興され、現在に至るのだが、
今は公園となっており、春には桜の名所として有名で、
戦国時代の雰囲気はどこにも感じられない静かなお寺となっている。