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人界を隔て深い狭霧に立ちこめられた、八犬伝の世界を支配する原理を潜在的に内包する幻想的空想の場、と北村透谷が書いたように、山奥の人一人いない鬱蒼とした世界です。滝沢馬琴が生涯をかけて書いた小説、南総里見八犬伝の中心地で、16歳の伏姫と伏姫を連れ去った犬・八房との愛の巣であり、お墓です。霧は出ていなかったが、高い木立に囲まれ美しく桜が満開に咲き、静かな寂しさに包まれていました。伏姫は助けに来た家来に犬もろとも殺されてしまうまで、2年間ここで暮らしますが、夜毎集まる悪霊や妖怪と法華経を唱えて闘います。ここは、夜毎妖怪や悪霊のあつまる阿修羅の世界。もうそろそろ、日が暮れます。急がないと法華経を知らない私は悪霊に取り込まれてしまうかもしれません。200段もある石段を急いでおりなければ・・・
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