地方に行くと、周囲とは隔絶された異空間に出会うことがある。多くは立派に整備された広大な敷地に、とてつもない立派な建物や施設があり、そこにはほとんど人影が見られない。そんな空間を見つけると、吸い込まれるように立ち寄ってしまう。別世界に入り込んだような不思議な感覚になるのは、膨大な費用がかかっているのに、ほんの数人がいるだけで、何をやってるかわからない。ここにいる人は、どんな考えでどう暮らしているのだろう。異空間としか、呼べないような世界に時々出会ってしまうと、どうしても立ち寄りたくなる。
あぐりの湯の前を入っていくのだが、500メートルほどのアプローチの二車線道路には、等間隔で道路照明がつけられている。

その奥は、50台ぐらい停まれる駐車場があり、大きなロッジ風の施設が浅間山を望むように建っている。

玄関には広いスペースと受付があり、受付には3人の比較的若いスタッフがいる。扉を開けてスリッパに履き替え中に入ると、そのうちの一人が出てきたので、ここは何をやっているのですか?と聞いた。スタッフの方は、慣れた口調で野外活動の指導者を育てる研修施設で、公共的なものではない、と疑問に答えてくれてパンフレットを渡してくれた。写真も自由に撮っていいとのこと。

安藤百福記念自然体験活動指導者養成センターが正式な名称のようだ。
パンフを読むと、日新食品の創設者が始めた施設のようだ。人の思いが結集したところは、結晶のような空間を形成する。