どこに行ってももう道路には雪がない。週末にはスタッドレスタイヤをノーマルタイヤに替えられそうだ。これが、最後の雪道走行と思うと気分も明るくなる。難関の鬼押し出し園付近の調査を終えて雪の少ない麓の分譲地に入り、冬装備最後の物件調査を終えようとした瞬間、車は吸い込まれるように、雪の中に突入して行った。

なんとか自力で脱出できると思ったが、どうあがいても車は、雪のなかから出られない。おまけに、右フロント部分は大破している。修理したばかりの車がまた、壊れてしまった。しばらく、どうしたらよいかわからなくなって、必死に手で雪をかいたり、ちりとりで雪を削ったりしたが、時間は経つばかり。ついにJAFを呼ぶことにした。

待ち時間が相当あったので、近くの物件調査をすることにした。JAFの人は、いろいろと状況を見てくれて、大破した右フロントが外れているので、手で押し込んでくれたら元に戻った。最初からJAFに頼んでおけばよかったと思った。
脱出できて、昼ごはんも食べていなかったので、付近で飲食店を探したが、どこもやっていない。ようやく1軒、146号線沿いのお店がやっていたので入ることにした。なかなかハイカラな店で、オーナーは港区白金に住んでいて、この店を昨年6月ごろ開業したそうだ。

店舗は借りていて、内装は夫婦二人で工夫した。観光地の料理に疑問を持ち、本格的料理を手ごろな価格で提供し、口コミで評判になる店にしたいとの意気込み。創作料理1000円はとてもおいしかった。コーヒーマシーンもこだわりのイタリア製、一味ちがう。どうなるかわからない不安も、ここで食事して思わずほっと一息つくことができた。