中能登町は能登半島の真中あたり、海から離れた平野部の何の変哲もない町だが、ここの建物は何処も黒光りする屋根瓦で覆われ、柱や梁はどっしりとした材木が使われている。

久江地区などそのまま文化財になるのではないかと思うほど見事だ。小学校も観光名所になるようなつくりだ。

何の案内板も見当らず、すなおに毎日をただ過ごしているだけの街で、これだけ見事な街並みは見られない。これこそ、文化財ものだ。

どうして、こんなに自然と風格のある街ができたのだろうか?ちょっと奥まったところに、道閑公園というのがあり300年ほど前に、藩の検地に反対して、斬首された人の公園があった。3人の男も処刑されたようだが、村を救った義人として公園が作られている。義人によって守られた街という思いがいまも残っているのかも知れない。