長野県菅平高原から群馬県の嬬恋村へ向かっている途中で
お腹がすいたので昼食をとることにし、
鹿沢温泉の紅葉館が手打ち蕎麦の店を出していることを思い出したので
行ってみた。

建て替え中の紅葉館建て替え中の紅葉館

鹿沢温泉はかつては共同浴場や数軒の旅館があり賑わっていたが、
大正時代の大火で消失し、現在は紅葉館だけが残っている。

そばと温泉だけ営業中 そば屋入り口

紅葉館は建て直しの最中だったが、蕎麦屋と温泉浴場は営業していたので
早速入店し、もりそばの大盛り(900円)を注文した。

メニュー

ここの蕎麦屋は大阪堂島の『喜庵』から暖簾分けされており、
『上州喜庵 雨過山坊』という屋号が付いている。十割そばもあるが、
注文を受けてから打つのだそうで、普通は二八のそばである。

もりそば大盛り 太めに切られた田舎風

それでも田舎風のそばで、かなり太めに切ってあり、
コシがあって歯ごたえの良い美味しいそばだった。

温泉セットメニュー

食べながら店内を見回すと
風呂ともりそばのセットで1,100円と書いた貼り紙が目に付いたので
『大盛りとのセットはいくらですか?』と訊ねたら1,300円とのことだったので、
当初は予定していなかった温泉にも浸かっていくことにした。


雲井乃湯 脱衣所

この温泉の源泉は『雲井乃湯』と名付けられているが、
源泉掛け流しは当たり前だが、加水も過熱もしておらず、
湧出したそのままの状態のお湯が檜の湯舟に適温で注がれている。

湯舟の渕には湯の花が堆積

泉質はマグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉で
神経痛や筋肉痛等に効能があるそうで、
少し茶褐色お湯の中に茶色の湯の花が浮かんでいる。
湯舟の渕には湯の花が堆積しへばり付いており、
温泉成分の濃さを感じさせてくれ、秘湯感が漂っている。
洗い場には蛇口の一つもなく湯桶が置いてあるだけだ。

蛇口一つも無い洗い場 

勿論シャワーも無いが、もう一つの源泉である『竜宮の湯』が
打たせ湯として落ちているので、シャワーの代わりにはなるが、
こちらのお湯はややぬるめである。
もう一つ打たせ湯の隣に冷たい水が落ちているが、
こちらは何に使うのか不明だが、
夏場で湯舟のお湯が熱い時に調節するためのものだろうか?

シャワー代わりの打たせ湯

紅葉館は日本秘湯を守る会の加盟旅館だが、浴室の入り口には
日本温泉協会の完全掛け流しの証であるプレートが貼ってあり、
源泉からの距離・泉質・新湯注入率等6項目のすべての評価が五つ星だったが、
全項目が五つ星の温泉は全国でも十数ヶ所しかないそうである。

全項目が五つ星

設備は何も無いが、秘湯愛好者にはたまらない魅力のある温泉だ。

お風呂だけの入浴料は500円だそうだ。