美術館5館・博物館2館・コンサートホール2館・資料館6館が
集まる上野公園エリアは知の”リゾート”(動物園もありましたっけ)。
半年ぶりに訪れた。

公園は梅の花が満開。木立の冬芽も膨らみ、些細なきっかけで、
「ど、ど~ん」!!
なしくずしに春のスイッチが入りそうだ。

科学博物館の庭にあるシロナガスクジラ(実物大、体長30m~)の
尻尾は、荘厳なカーブが相変わらずいいなあ。
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奏楽堂の近くに昨年デビューした青いキリン(芸大生の卒業制作、
高さ7m~)は長い首を力いっぱい伸ばし、寒緋桜の香りを
楽しんでいるかのよう。
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でも、春の兆しはほんの一角。

半年前は美術館や博物館への道すがら散策を楽しむ人々が
ひと休みしていたベンチのほとんどは、今日はホームレスの人々に
よって占められ、公園は休日特有の華やぎどころか…。
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昼過ぎにもう一度通りかかったら、支援団体の炊き出しに
数10mの行列ができていた。
集会も開かれるようで、たくさんの人たちが一堂に
集められていた。
大勢で座っているのに、隣にいる人とコミュニケーションを
とる様子はない。
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ホームレスを一瞥して足早に通り過ぎる人びとが「動」なら、
座り込んでいるホームレスの人々は「静」。深く沈潜して、
奇妙なほど静まり返っている。

「平成の帰農令」のような話をメディアは盛んに報道しているけれど、
心身ともに健康でなければ農業なんてできないのではないか。
この人たちはこれからどこへ向かって行くのだろう。

たまたま視線があった人の、光のない暗い目が忘れられない。