2011年04月 05日
ミツバチの羽音と地球の回転
震災発生の数日前、渋谷ユーロスペースにて
「ミツバチの羽音と地球の回転」という映画を観ました。
「六ヶ所村ラプソディー」、「ヒバクシャ―世界の終わりに」など、
原子力にまつわる様々な問題を撮り続ける
鎌仲ひとみ監督の最新作で、
瀬戸内海に浮かぶ祝島が舞台のドキュメンタリー映画です。
祝島については、リゾート物件情報2010年夏号「のんびり、癒しの島時間」の
巻頭で、
「祝(ほうり)の島」を撮影した纐纈あや監督にお話を聞かせていただいたので、
『祝島のその後』といったかたちで、
この、新・現地調査日記で紹介しようと思っていた矢先に、地震が起こりました。
その後、計画停電などの影響なのか渋谷での上映が中止になってしまい、
ここに書くタイミングを逸してしまっていたのですが、
ようやく再上映が決まったようですので、紹介させていただきます。
著名人から寄せられたコメントが読めます
豊かな漁場を持つ祝島の対岸、わずか4kmしか離れていない山口県上関町で
中国電力の原子力発電所の新設工事が、現在も進められいます。
この映画では28年もの長期間に渡って原発反対運動を続けながら、
原発による電力や経済振興策に頼らない、
「持続可能な暮らし」の実現を目指す祝島住民の姿を描いています。
それと並行して、エネルギー先進国であるスウェーデンを取材しています。
スウェーデンの最北端に位置するオーバートーネオ市では、
化石燃料を使わずにエネルギーの自立をすることを目標に掲げています。
風力やバイオマスなどの自然エネルギーだけで生活できる方法を模索し、
すでに電力の半分を自然エネルギーでまかなっています。
また、ストックホルムなどの大都市でも、
利用者各々が電力会社を選ぶことができるため、
エネルギーや環境に関して、個々が高い意識を持っています。
自然エネルギーを使った電力を選んだり、
自然エネルギーを使っているエコ企業の製品を選んだりということを
あたり前のようにしているのです。
そして、映画の中でスウェーデンの人たちが言います。
「日本には森林や水資源がたくさんあるのに、
なぜ枯渇することが分かっている化石燃料(石油)を輸入し続けているの?」
「なぜ、日本では電力会社(エネルギー)を個人が選択できないの?」
皮肉なことに今回の福島原発の事故がきっかけで
多くの人が原発について、電気やガソリンなど自分たちの使うエネルギーについて
考えさせられたと思います。
私はこの映画を観て、自分の無知・無関心を反省し、
目先の利益ばかりを追求する人たちに憤りを感じるとともに、
未来への希望も見出すことができました。
国民投票で脱原発の道を選び、再生可能エネルギーへとシフトし、
持続可能な社会を育てているという自負のあるスウェーデンの人たちの表情は、
自信に満ち溢れていました。
この映画に出てくるスウェーデンの人たちのように、
誇らしげに、自信を持って自分たちの生き方を語れるようになりたいと心から思いました。
私たちにだってできるはず。
今だからこそ、一人でも多くの人に観ていただきたい映画です。
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◆オーディトリウム渋谷(ユーロスペース2F)
4月16日(土)〜26日(火)
◆川崎市アートセンター アルテリオシネマ
4月2日(土)〜4月22日(金)
その他、全国各地で自主上映会も行われています。HPでご確認ください。
http://888earth.net/index.html
「六ヶ所村ラプソディー」と「ヒバクシャー世界の終わり」も
渋谷UPLINK FACTORYにて緊急再上映中です(4月15日まで)。
http://www.uplink.co.jp/factory/log/003944.php
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