長野市と白馬村の中間にある小川村は過疎の村。狭い山道を登っていくと、人の住んでいない民家や廃屋があちこちに見かけられる。もう廃屋になりかけている家の調査を終え、戻る途中におやき村の看板を見つけたので、立ち寄ることにした。

普通車がやっと通れる山道をくねくね登っていくのだが、やたらに案内看板が多い。最初は、「ゆっくりと慎重に」だが
途中は「後何メートルもう少しです」と励ます、そのうち、「もうすぐです」から、「ここまで来れば安心」「もう安心」に変わり、最後は「ここはおやき村です」になる。道幅が狭いから、引き返すこともできないが、心細くなる山道登坂だから元気付けているのかも知れない。
どんな寂しいところに着くのかと思ったが、上りきったところには、立派な建物がどっしりと建っていた。

店内には、靴を脱いで入るのだが、食堂や宴会場、喫茶室は二つもある。200人以上入っても、まだスペースがあるぐらいの建物だ。働いている人はみんな高齢者だが元気。日本中からお客が毎日来ると言っている。
過疎地の細い山道を登りきった秘境におやき村はあった。