2009年04月 04日
長野県上田市 「無言館」
画家や彫刻家、デザイナーを目指し、東京美術学校(現・東京芸大)などに
通い、あるいは卒業しながらも、第2次大戦に召集され、非業の死を遂げた
(戦争が遠因で亡くなった人も)画学生たちの遺作を展示する「無言館」
(戦没画学生慰霊美術館)に立ち寄った。
少しわかりにくい場所にあるが、4月から11月までは
上田駅?別所温泉間のシャトルバスもとまる。
1997年開館。塩田平を見下ろす小高い山にある。
鎮魂を込めたのだろうか、教会のようなたたずまいだ。
木の扉を押して中に入った。
照明を極力落とした空間に、作品が一点、一点、スポットに照らされて
浮かび上がる。
ガラスのケースには遺影・遺品、周辺の人びとの言葉や手紙なども
置かれて、故人の人となりもわかるように配慮されている。
戦争によって、生を絶たれた若者たち。戦死通知も展示されていた。
鑑賞するうちに、建物が十字架の形だと気づいた。
十字が交差する中心の床が丸く小高くなっており、
吹き抜けのドームの窓から陽光が降り注いでいる。
ざわめきとともに高校生男女の集団が入館してきた。
うわ…と思ったのは杞憂で、皆、静かに見入っていた。
入館料は館を出るときに支払う。1人1,000円で、
第2展示館も見ることができる。
第2展示館は、無言館の開館後あらたに集まった
作品の展示のため、昨年開館。
建物の外には、大戦末期に地上戦が行なわれた
沖縄・「摩文仁(まぶに)の丘」から運ばれた小石や
中庭にパレスチナから運ばれたオリーブの木が
植えられている。
石は信州では見かけない、明るい象牙色。珊瑚を
含むのだろうか、小さな孔がたくさん開いている。
オリーブは寒さの厳しいこの町で無事育つのだろうか、
ちょっと心配だ。
館に隣接して図書室があり、床から吹き抜けまで
造りつけた大きな書棚に美術書などが美しく収められていた。
蔵書は地元への貸し出しも行っているそうだ。
奥にはカフェも。
「こんな図書館なら、1日いてもいいなあ」。
ふいに、屈託のない男子高校生の声。
年齢の近い画学生に思わず自分を重ね合わせたかもしれない
痛ましい空間から突然穏やかな場所に出た解放感のなせるわざだろう。
館が閉まった真夜中、この図書室に永遠の画学生たちが集まっている。
木の椅子に腰かけて静かに蔵書のページを繰るもの、
画論を戦わせるグループもある…。
そんな妄想を抱いてしまうほど、図書室は安らぎに満ちた空間に思えた。
通い、あるいは卒業しながらも、第2次大戦に召集され、非業の死を遂げた
(戦争が遠因で亡くなった人も)画学生たちの遺作を展示する「無言館」
(戦没画学生慰霊美術館)に立ち寄った。
少しわかりにくい場所にあるが、4月から11月までは
上田駅?別所温泉間のシャトルバスもとまる。
1997年開館。塩田平を見下ろす小高い山にある。
鎮魂を込めたのだろうか、教会のようなたたずまいだ。
木の扉を押して中に入った。
照明を極力落とした空間に、作品が一点、一点、スポットに照らされて
浮かび上がる。
ガラスのケースには遺影・遺品、周辺の人びとの言葉や手紙なども
置かれて、故人の人となりもわかるように配慮されている。
戦争によって、生を絶たれた若者たち。戦死通知も展示されていた。
鑑賞するうちに、建物が十字架の形だと気づいた。
十字が交差する中心の床が丸く小高くなっており、
吹き抜けのドームの窓から陽光が降り注いでいる。
ざわめきとともに高校生男女の集団が入館してきた。
うわ…と思ったのは杞憂で、皆、静かに見入っていた。
入館料は館を出るときに支払う。1人1,000円で、
第2展示館も見ることができる。
第2展示館は、無言館の開館後あらたに集まった
作品の展示のため、昨年開館。
建物の外には、大戦末期に地上戦が行なわれた
沖縄・「摩文仁(まぶに)の丘」から運ばれた小石や
中庭にパレスチナから運ばれたオリーブの木が
植えられている。
石は信州では見かけない、明るい象牙色。珊瑚を
含むのだろうか、小さな孔がたくさん開いている。
オリーブは寒さの厳しいこの町で無事育つのだろうか、
ちょっと心配だ。
館に隣接して図書室があり、床から吹き抜けまで
造りつけた大きな書棚に美術書などが美しく収められていた。
蔵書は地元への貸し出しも行っているそうだ。
奥にはカフェも。
「こんな図書館なら、1日いてもいいなあ」。
ふいに、屈託のない男子高校生の声。
年齢の近い画学生に思わず自分を重ね合わせたかもしれない
痛ましい空間から突然穏やかな場所に出た解放感のなせるわざだろう。
館が閉まった真夜中、この図書室に永遠の画学生たちが集まっている。
木の椅子に腰かけて静かに蔵書のページを繰るもの、
画論を戦わせるグループもある…。
そんな妄想を抱いてしまうほど、図書室は安らぎに満ちた空間に思えた。
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もうひとつの無言館 wrote:
【予告編】
http://www.rakudastudio.com...
美術館の入り口から入った子どもたちは、単なる美術鑑賞のステージから、やがて絵画作品との対話へのステージと進む。美術館を出た彼らはどのように変わっていくのだろうか。子どもたちが、神奈川県立近代美術館(神奈川県)と戦没画学生慰霊美術館「無言館」(長野県)の展示作品と「対話」をすることで、学習の成果は、時間の経過の中で徐々に子どもの中でカタチを変えながら内面化されていく・・・。
小学校時代に多くの時間を美術館で過ごした子どもたちのその後を、ドキュメンタリー映画化。10月の横浜をスタートに、長野、東京と順次上映会を開催します。
【上映映画】
★『Museum Trip(22min)<鎌倉の立てる像たち・拝啓鬼様>』
出演:横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校卒業生有志
監督:森内康博
企画:稲庭彩和子(神奈川県立近代美術館学芸員<2009年当時>)
高松智行(附属鎌倉小学校教諭)
制作:(株)らくだスタジオ
協力:神奈川県立近代美術館、国立情報学研究所
制作年:2009年
*ドイツ「ワールドメディアフェスティバル2011」ドキュメンタリー部門入賞
★『青色の画布-十五歳 もうひとつの無言館-(50min)』
出演:横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校卒業生有志(映画「無言館」に出演)
窪島誠一郎(無言館館主)
監督:森内康博
企画:高松智行(附属鎌倉小学校教諭)
制作:株式会社らくだスタジオ
協力:戦没画学生慰霊美術館無言館、
横浜国立大学教育人間科学部附属鎌倉小学校
制作年:2011年
<上映会1>『Museum Trip』『青色の画布』
■日時:10月30日(日) 19:00〜
■会場:関内ホール(※横浜/JR関内駅徒歩5分)
■当日券:1000円
※メールにて事前にお申し込みの方は前売り料金の800円でご覧になれます。
○氏名○所属○人数 を明記の上、info@rakudastudio.com までお申し込み下さい。
■お問い合わせ:050-3585-7161(『青色の画布』上映会係)
<上映会2>『Museum Trip』『青色の画布』
■日時:12月3日(土) 19:00〜
■会場:上田映劇(※長野県上田市/JR上田駅から徒歩)
■当日券:1200円
※メールにて事前にお申し込みの方は前売り料金の1000円でご覧になれます。
○氏名○所属○人数 を明記の上、info@rakudastudio.com までお申し込み下さい。
■お問い合わせ:050-3585-7161(『青色の画布』上映会係)
<上映会3>『青色の画布』
■日時:1月21日(土) ?16:00〜 ?19:00〜
■会場:キッドアイラックホール
(※東京/京王線明大前徒歩3分)
■当日券のみ:500円 ※窪島誠一郎氏のトークあり
■お問い合わせ:050-3585-7161(『青色の画布』上映会係)