新・現地調査日記

台風15号が首都圏を通過するというので、夕方に早退させて
もらった。

青山通りに植えられたばかりの若いケヤキが暴風にしなうのを
気にしながら表参道駅へ。


渋谷駅で、大勢に混じってメトロから私鉄に抜けるＪＲの通路を歩くうち
外でゴーッという風の音が起き、天井に付着していた黒い埃の固まりが
舞い散ると、あちこちで悲鳴が上がった。
恐怖というより「汚ーい」という意味の悲鳴だろう。この通路、そういえば
私の学生時代から変わっていない。(￣Д￣;)

渋谷まで出ると、私鉄はすべてとまっていた。




首都圏の交通網はまたもや散々だが、地震と違って台風は安全な場所で
おとなしくやり過ごすしかない。
時計は１８時を回り、お腹がすいてきた。屋外と地下へは行かないようにして、
ターミナル駅に直結のデパート、それも食堂街で夕飯を食べておこう。

ウン１０年ぶりの食堂街は、同じような考えのひとびとが右往左往。
イタリアンレストランの行列の最後尾について１時間あまり、ようやく席に
案内された。

高い吹き抜けがデパート内ということを忘れさせる店だが、ふだんひと晩で
こんなにお客さんはこないだろう。給仕スタッフのきびきび無駄のない
動きに感嘆しながらも、食材は足りるのかしら？など余計な心配が頭を
かすめる。

それでも、ゆらゆら揺れるテーブルの灯に、早くもリラックスモード突入。

蛸のマリネなどの前菜。カスレソースのタリアテッレは手打ちだった。

ほの暗い照明のもと、のんびりとたいらげた。私を含めて周りは単身
ばかりで、それぞれ独りの時間を楽しんでいるように見える。

震災の日のように規制が敷かれているのか？メールの送受信が不自由な
状態だったが、友人や家族から間遠にまとまって届くメールが、やがて
電車の運行再開を知らせてくれた。

ごちそうさま。なんとかひと心地つきました。


デパートは往時のような混雑ぶりで、現在のデパートの置かれた状況を
考えると、関係者にとっては夢のような光景だったかも。

電車には、数台待って乗れた。ルールを無視する人もいなかったのは、
台風が去りつつあることへの安堵感もあったから？
無事に帰れたことに感謝。

自宅近くの駅前で見つけたメチャクチャな傘。


表参道駅に入ってから外へ出ることがなかったので、台風のありさまを
知らない。
渋谷の道玄坂で大きな街路樹が折れたことを知ったのは、今朝、出社
してからだった。

しかし、同じ日に沼津から戻れなくなったスタッフもいる。
さらに大きな台風だったら、達観している余裕などなかったかもしれない。