日曜日とはいっても、冬枯れの森を雪混じりの冷たい風が吹き抜ける
北信州の飯綱(いいづな)東高原は、ドライブ客もまばら。

あかるいうちに信州中野インターに入りたかったので、インターまで10分の
横手地区にある「そば処 よこ亭」で遅いお昼をとることにした。

第3セクターでやっているこの店の強みは、60haを超える町内のそば畑で
栽培した地粉を使う手打ちそば。スタッフも町のひとたちだ。
シーズン中は激混みで、ウェイティングリストに記名してから数十分は待たされる。
何より、濃いめのつゆがイマイチ苦手な私は、しばらく敬遠気味だった。

気温は3℃。音をたてて回る水車から、氷のような飛沫が飛んでくる。
さすがにこんな日は、駐車場もガラガラだ。
「そば処 よこ亭 駐車場ガラガラ

飛沫と寒風に背中を押され、店の中へ。
白い暖簾

折りしも、新そばの時期。ざる以外のメニューは?とチェックしていると、
未知の献立に目が留まった。
「おしぼりそば」と「堅物親父そば」。
メニュー
堅物…は地酒がついてくるそうなので、今回はパス。
おしぼりそばは、大根おろしのしぼり汁を使う。この地にはわさびと同じ
役割を担う辛味大根があるが、この大根は使わないという。

野菜の天ぷらも頼んだ。
もちろん素材は地のもの。薄づきの衣で、ヤーコンはシャキシャキ、オクラ、
エリンギ、春菊もさっくりと揚がっていた。りんごの天ぷらは冬の風物詩?
甘酸っぱくて美味しい。
からりと揚がっている

いよいよ、おしぼりそばが登場。
おしぼりそば
そば猪口にはそばつゆ、小鉢にはしぼり汁。手塩は?

「塩でお好みの味に調整したしぼり汁におそばをつけて、召し上がって下さい。
次に、そばつゆをしぼり汁に足して…」。お店の人が手ほどきしてくれた。
イマイチのそばつゆをしぼり汁で調節可能なんて、私には大助かり^ ^ ;。

新そばは、香りはあまりなかったが、歯ごたえとしなやかな弾力はこれまで経験
したことのないもの。面白い食感だ。目を丸くしながら口に運んでいると、「つなぎ
にこんにゃくを入れているんじゃないの?」と同行者。こんにゃくも町の産物だ。

ネットで調べると、そばのこしを強くするため、ダイエットの用途にと、こんにゃくの
つなぎは増えつつあるそうだ。
お店のひとに確かめたかったが、ほかのお客さんの対応に忙しそうだったので、
またの機会にした。


店は、大気が澄むと志賀高原の山並みまで見渡せる丘の上にある。1950年代、
木下恵介監督作品「野菊の如き君なりき」のロケにも使われた場所とか。
この日は重たい雲が出ており、眺望がなかったのは残念。
曇天

そういえば、2007年晩秋にも、ここを訪れていた。
2007年11月の日記は…

店には、蕎麦打ち体験工房も併設。
冬季は積雪があるので、スタッドレスタイヤの装備は必要だ。