中央本線・藤野駅まで、新宿から1時間。

9800人ほどが暮らす藤野エリアは、現在、彫刻・絵画・童話・音楽…
など多彩な分野のアーティストが移住し続ける”芸術村”でもある。
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都会からほどよく離れ、森・湖・里山の自然に身をおき、制作にいそしみつつ、
地域共同体の一員としてさまざまな行事にかかわるアーティストも少なくない。




野山や相模湖のほとりなどいろいろなところに、数10点のオブジェが点在
している。
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1986年、芸術体験施設として竣工したりっぱな”ハコモノ”「県立藤野
芸術の家」。
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陶芸や木工、ガラスなどのワークショップが頻繁に開かれ、音楽ホールや
宿泊施設のほか、バーベキューやキャンプサイトも備える。
ひろびろと手入れのよい敷地にも、数々の作品が。
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「絵画のための見晴らし小屋」内のピクチャーウィンドウ。
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啄木鳥くんの作品?
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取材は大震災からひと月後。犠牲者を悼んで、半旗が掲げられていた。
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第2次世界大戦前後に藤田嗣治ら多数の画家・彫刻家らが疎開し、
「山と湖のまちを一大芸術村に」と構想を練ったというエピソードをもとに、
県が「ふるさと芸術村構想」をあらためて展開したのが1980年代。

それから20年あまり。
2004年には「芸術」としての授業を展開する「シュタイナー学園」が誕生。
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最近では、再生可能なエネルギーを探る、脱石油・脱原発といったパーマ
カルチャー系の暮らしを模索するひとびとの移住も進む。


水源地ゆえに開発を免れた豊かな自然と穏やかな里山の風景が、このまち
ならではの来歴とあいまって、時代感覚に鋭敏なひとびとを引き寄せている
のだろうか。


相模湖や中央高速をはるか下に見おろす体験型の「宿・借農園」には、
そよそよと優しい風が吹いていた。
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