静岡市の現地調査で、市街地郊外と思って気楽に考えて、新東名新静岡ICを降りた。ところが、そこから安倍川沿いに細い道をくねくね登っていく。目的地まであと60キロ以上もある。どんどん道は狭くなり、通り過ぎる車もめったにない。40キロほど走ったら、富士見峠というところに出た。もうこここは南アルプスの玄関口、秘境となっていた。まだこれから、20キロ以上もある井川ははたして人は住んでいるのだろうか。

富士見峠から下りで10数キロ走ったら湖が見えてきた。これが目指す井川湖に違いない。ダムを超えて湖畔まで来たら、集落は結構ある。民宿や旅館も古くて営業しているかどうか、わからないが、お茶を売っているご主人に聞いたら、となりの旅館のオーナーはシニア―ソムリエで、全国から泊りに来る人があるとのこと。

目指す物件調査も旧旅館。入口に数字合わせで開けるカギがあり、さらに奥に厳重に鍵が5個もついている。全部番号合わせをして、中に入る鍵を鍵穴に入れようとしたら、鍵穴には入らない。結局外観だけを湖のあちこちから撮って帰ることにした。