「作物の丈が伸びない」。7月下旬、農家の知人から来たメールだ。

異様に蒸した日の翌日には、じめじめと重たい雨、気温も上がらない・・・。
7月に信州へ3度足を運んだが、例年ならばアンズ、スモモ、桃と大賑わいの
農産物直売所が、スモモの一部とブルーベリーを除いては、下旬になっても
閑散としている。
冷夏の声を聞くし、米不足まで懸念されている。

とはいえ、この日の八ヶ岳はからりとした晴天。
蒸し暑い熱風のなか、朝の新宿駅を出発したが、降り立った茅野駅は、
涼しく爽やかな風の吹く別の世界になっていた。
蓼科へ登り、八ヶ岳へ南下する定期出張だ。

富士や南アルプスを望む澄明な空のもと、清里の「まきば公園」では、
羊たちが懸命に草を食む。


公園の一角では、遠足に来た東京の幼稚園児たちがお弁当を食べ始める
ところ。
その傍ら(ちょっと離れているが)では、牛のグループが休憩中。白と黒同士、
黒いの同士、同じ柄同士で休んでいるのはなぜだろう?


昼食は清泉寮のレストランへ。平日とはいうものの夏休み中だけに、
広い店内はお客さんでいっぱい。しばらく待たされた。


青リンゴとダリア、ミントを組み合わせたテーブルの花。
剣山に刺しているものを、アジサイの葉でうまくカバーしている。

管理人の宮沢氏はおすすめランチのポークソテー。私はペストソースのパスタ。

高原野菜をたっぷり使ったサラダはバイキングで、玉ねぎと
卵をミックスしたドレッシングが香ばしくて美味しかった。
温かいコーヒーと冷たいデザート。
null null


標高1200m。年の始めに来た清泉寮は真冬の夕暮れ時もあって寂寞とした
印象があったが、夏は打って変わって活気に満ちる。

広大な敷地に目的別の棟がゆったりと建てられているが、名物・ジャージー牛の
ソフトクリーム売場のある棟にはデッキまで行列ができていたし、別の棟では
「自然学校」に来ている大勢の子どもたちとインタープリターとの元気のよい
やりとりが聞こえてくる。ホテルのフロントは外国人客の応対に大忙し。
null 

そんな喧噪すら、夏の交響楽がフルオーケストラで鳴り響いているようで、
好ましく思えた昼下がり…。

下は富士をみつめる「清里の父」ポール・ラッシュ像。