店に到着した時点で、すでに入り口付近には数組のお客さんが待っていた。
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暖簾をくぐると、案の定、店内は満員御礼状態。
お客さんはもちろん、注文と配膳にミスのないよう集中するスタッフの
女性たち、調理場も含めて熱気むんむんだ。
邪魔にならないようウェイティングリストに記名するのが精一杯で、すぐ
屋外に引き返した。

紅葉が終盤にさしかかる頃、北信州は新蕎麦の時期を迎え、人気のある
蕎麦店には行列ができる。
霧下蕎麦で知られる黒姫(信濃町)・仁の倉地区にある「仁の蔵(にのくら)」
しかり。

夏は、屋外で食するひとびとで賑わうのだろう、一枚板のテーブル。
傍らのだるまストーブに火は焚かれていなかったけれど、地元の人よりも
かなりぶ厚くダウンを着込んできたため、ちょっとくらいの寒さなら平気。
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見上げると、林の上空に、カラスが群がり飛んでいる。
若いカラスは群れで行動すると聞くけれど、不気味というよりも、
元気いっぱい、じゃれあっているように見えた。
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風がだんだん強くなってきた。11月下旬、いつ雪が落ちてもおかしくない。
肌寒さを感じるようになってまもなく、名前を呼ばれたので、ほっとして
店に入った。  

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壁に、神社に飾り奉納された奉燈句の大きな紙が貼ってあるのは、
一茶の里らしい。
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登場は、蕎麦だんごから。アツアツのだんごにたまり醤油をからめて
いただく。絶妙の組み合わせ。^^
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やがて新蕎麦、登場。
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隣席の野菜の天ぷらがとても美味しそうだったので、天ぷらもお願いした。
野菜の滋味があり、カラリ・サクサク揚がっており、期待どおり。
新蕎麦は、甘やかな中に、鋭く青いような味と香りが印象的。


栽培・収穫、石臼挽き、手打ちまで、すべてを生産者組合が行う店。
野菜も、もちろん、地のもの。

駐車場にとめられた車のナンバーは、地元・北陸・首都圏とさまざま。
おぼろげながら、各地からわざわざ足を運んでくるひとびとの気持ちが
理解できたような…。


※11時から15時までの営業。
長野県のホームページでは、「地域の農家レストラン」の位置づけ。