長野市の北20kmに広がる飯綱町の東南は、10haの丘陵地帯に桃や林檎、杏などの畑が広がる果樹園地帯。花盛りの桃畑の様子を紅い霞がたなびくようだとして、昭和初期の画家・岡田三郎助が「丹霞郷(たんかきょう)」と呼んだことから広く知られた。

タイミングよく開花期に訪れることができた。残雪の北信五岳を背景に…といいたいところだけど、春霞と撮影者の腕前ゆえ、特徴のある山の輪郭しかわかりませんね。
左が飯綱、真ん中が黒姫、右が妙高。


農家の作業のじゃまをしないよう、畑の小道をそっと歩く。一斉に芽吹き始めた新緑、足元に咲く菜の花やタンポポなど、色彩も鮮やかで美しい。開花期が5月の連休と重なるため、花見客は年々増え、重装備のカメラを抱えた人も目立つようになった。訪れる人々に節度があるのか、ゴミを見かけないのは結構なこと。




気温の高い日が続き、りんごの花もほぼ満開。こちらは“白い霞がたなびくよう”…。


お花見の後は、この町の小高い丘にあるレストラン・ワイナリー「サンクゼール」でしばし休憩。ジャムやワインの全国展開でも知られる会社の本拠でもある。レストランの下の斜面にはワイン用の葡萄畑や林檎畑が広がる。葡萄は芽吹き始めたばかり。



晴れた日には飯綱・黒姫・戸隠、遠く志賀高原の山並まで見渡せるレストランのテラスからの眺め。実はこの日は連休の中日とあって、お客さんで超満員。お店の人はてんてこ舞い状態だったけれど、お客さんは皆思い思いにくつろいで、短い連休を満喫している様子だった。


店は日射しの強い農場の真上に建っているから、目立たないようにエアコンが設置されている。真夏など、日中はかなりの暑さだが、夕方から涼しい風が吹き始めるのは高原ならではの救い。

この時期、町のいたるところにしだれ桜、大山桜、カタクリの群生、八重桜、つつじ、藤、ニリンソウなどが咲き誇る。
最後に、この町らしく、水芭蕉を。
必ずといってよいほど傍にリュウキンカの黄色い花が寄り添い、お互いを引き立てあって最高のコンビネーションだ。 


6月には新緑の森の中でレンゲツツジの大輪の花も見られる。

花の後にはもちろん実りが。初夏のさくらんぼを筆頭に、冬のりんごまで、果物の恵みが続々と・・・。^ ^

※立夏前の写真・記事内容でゴメンナサイ。