3日付「富士のゆらりの湯のとりもつ丼」を読んで、春先、長野県大町市への
出張時に出合ったソースかつ丼を思い出した。

創業は昭和2年というから、80年もの長い間、ソース味のとんかつを供している
わけだ。

私はソースとんかつを知らなかった。未知なる味への挑戦は出張時ならではと、
ワクワクしながら店に入り、ソースかつ丼なるものを注文した。
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アンティーク風?民芸風?ゴチャッと入り混じった店内には寄せられた絵や
版画などがところ狭しと貼ってあり、本棚にはコミックスもぎっしり。
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地元のひとたちに愛され続けているのだろう。


待つこと20分。いよいよソースかつ丼、登場。
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とんかつにたっぷりとしみこませてあるソースはなかなかにスパイシー!
でも、とんかつとご飯の間に千切りキャベツ(地元の有機栽培)がサンド
されているのは何故!?
新鮮な体験ではあったけれど、東京で日常的に、甘辛いソース、キャベツは
別のお皿、というとんかつ料理を食べ慣れた身に、この感覚はちょっと
相容れなかった。

ソースかつ丼を食べ慣れたひとが上京してとんかつを食べたら、私の
逆ヴァージョンで、故郷の味が恋しくなるのかな?
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安曇野・大町エリアで育てられたSPF豚はプリプリと弾力があったが…。


後日、調べてみたら、ソースかつ丼は、福井県にそのルーツがあるとか。
とんかつとご飯の間にキャベツをはさむスタイルは、長野県の駒ヶ根と
山梨県で一般的だそうだ。


料理にも、民俗学、のようなものがある。
ひとは、なじみのない味に対して、保守的になるのかもしれない。
※訪問は3月。


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上の写真は4月に、大町山岳博物館への途上で撮ったもの。