出張先で出合う美味と温泉は、双壁の楽しみのはず。
でも、いつも行き当たりばったりの私に、そんな機会はめったにない。

とはいえ、美味の宝庫・北陸、それも金沢を訪れたのだもの。
礼儀正しい青年が担いできたお品書きのホワイトボードに
私の目は釘付けになった。
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ここは、まちに暮らすひとに案内されて入った店。



以下、この晩、私(+数人)のお腹におさまったもの。

どじょうの唐揚げと塩炒り銀杏。いくらの醤油漬と烏賊の塩辛。
へしこ、鴨の燻製。
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煮っころがしの里芋は全国的に知られるお隣・福井県・大野のもの。
蟹しんじょの蕪蒸し風。
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鯖、まぐろ(大間)、ぶり、あら、烏賊、定置網に偶然かかったというミンク鯨。
緑の卵が透けてみえるガス海老は北陸だけのもの。
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タラバ蟹の湯引き。ほかにさまざまな貝。
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「獅子の里」という日本酒、ほんの少し。
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炭火で焼いたのどぐろに蟹。
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鮑をバターでソテーしたもの。
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鯛のかぶと煮。蟹みそ。
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〆は焼きおむすびと、鰹だしを効かせたきのこ汁。
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…饗宴。
自家製いくらの醤油漬と烏賊の塩辛は無雑な味だったし、
湯引きの蟹は身が締まっている上に強い弾力があった。
お刺身はどれもが内から輝きを放っていた。

デザートは柿と梨(撮り忘れた;)。

ほとんどが東京では一部の店でしか味わえない味覚だが、
金沢では皆さん日常的に食しておいでらしい。

ところ変われば、とは言うが…。
紹介してくれたひとが折りあるごとに足を運ぶ理由がわかった。

翌日、やりきれない思いになることがあったのだけど、この晩
私のお腹と心はこのうえない幸せに満たされていた。


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リゾート物件情報・冬号 連載10回目「田舎暮らし第一段階 
〜移住・2地域 居住に向けて〜」の取材先は金沢市。

今回は田舎暮らしとはテーマを異にして、中心市街地に現存する
「金澤町家」の継承を目的とした「金澤町家情報バンク」をご紹介。
金沢好きの方、必見です!