明石にある「日本標準時子午線」は有名だが、
東京都内にも、同じように有名になっていいのではないかと思う場所がある。

ロシア大使館の裏手、手前の外苑東通りでは警官輸送車が止まっていたり、
警備ボックスが何ヶ所も設置されている、物々しい通りを入った突き当たり
アメリカンクラブの先にある「日本経緯度原点」だ。
(東京都港区麻布台2丁目18番1)
日本経緯度原点の看板

日本経緯度原点(にほんけいいどげんてん、Japan Geodetic Datum)とは、
日本国内の測量の基準点で、
国土地理院の地形図を作る際の経緯度は、ここが基準になっている。
地図に引かれている東経135度の子午線も、
かつてはここから三角測量を繰り返して測ったものだったということだ。
(ちょっと想像しただけでも、気の遠くなるような地道な作業だ)



ここにはかつて、東京天文台(現:国立天文台)の「子午環」が置かれていた。



1874(明治7)年、この麻布台に海軍観象台が置かれ
のちに、東京帝国大学付属東京天文台が置かれた。
この東京天文台も関東大震災で経緯度原点となっていた子午環も大破し、
現在の三鷹へと移転したのだそうだ。
子午環跡は国土地理院が日本経緯度原点として引き継ぎ、現在に至っている。



現在の原点の経度、緯度及び方位角の数値は、
最新の宇宙技術を用いて定めたものだ。

経度 東経 139°44′28″.8869
緯度 北緯  35°39′29″.1572
方位角    32°20′46″.209

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の影響による
地殻変動が観測されたため、平成23年10月21日に、上記の数値に改定された。




ちなみに
現在この隣地が売りに出ているので
お金と勇気のある方は、入札に参加してみてはいかがだろうか?

 平坦地

(時々、手前の外苑東通りが抗議団体が来ないよう封鎖されるので、
生活するにはちょっと不便かもしれないが・・・)