夜は曇天で、海上に輝く月を見る事ができなかったのは残念。

予約の際に調べたら、この船は6月の濃霧の朝、明石海峡で漁船と衝突した
のだそうだ。
今回もスリリングなシーンが何度か。漁船の方が機敏に向きを変えてかわす。
ニアミスは珍しい事ではないらしいが、ぶつかる側にも、ぶつけられる側にも
なりたくないものだ…(≧≦)


大分港を16時に出航して、19時過ぎに松山観光港に寄港。
松山は水上交通の要所で、大小6つの港がある。フェリーや連絡線が発着する
のはこの”観光港”。広島と結ぶ連絡線の姿も見えた。
船はこの後2時間半かけて今治に寄港し、明け方に神戸へ着く。



夜が更けると、規則的なエンジン音と船が波を切る音のほかは何も聞こえない。
照明を落とした窓から望む、瀬戸内の島々にまたたく灯が美しい。島はいくつある
のだろう、その多さにあらためて驚かされる。

規則的に並ぶ神戸淡路鳴門自動車道の照明が見えなくなると、やがて明石海峡大橋をくぐる。時刻表によると4時36分だ。
神戸は近い!(と思ったが、あと1時間かかる)。



夜明けの空に浮かび上がる神戸港。右は欧州航路のコンテナ船。


停泊中に空が明るんだ。あちらでは北九州の小倉と神戸を結ぶ阪九フェリーが
ゆっくりと入港中。
20年ほど前に乗ったな?。震災後、船体に描かれたWe Love KOBEの
スローガンはその後塗り替えられたのか、見当たらない。


神戸を発って2時間あまり。朝焼けのなか、終着地である大阪南港と、わが国で
3番目に高く、大阪府庁舎の移転案が出ているWTCセンターのタワーが見えてきた。
着岸までたっぷり1時間はあるけれど、クルーたちはてきぱきと入港作業を
進めている。


のんびりするつもりだった17時間の航海中、結局、まんじりともせず…。
2時に瀬戸大橋をくぐったのは気づかなったから、2時間は眠ったのかな?
波の上独特の浮遊感覚とも、まもなくおさらばとは。何となく寂しい。